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一般社団法人法の施行による不動産の流動化・証券化のための中間法人への影響⑦

既存の有限責任中間法人の一般社団法人への移行手続(その2)

 こんにちは、司法書士の草薙智和です。

 今回は、既存の有限責任中間法人の一般社団法人への移行手続のうち、定款の変更について検討してみたいと思います。

(2)名称の変更
 みなし一般社団法人は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会において、定款を変更し、その名称中に一般社団法人という文字を用いなければなりません。施行日は、平成20年12月1日ですので、12月決算の法人であれば、平成21年2月又は3月の定時総会で名称変更することになります。

 なお、名称変更をした場合に、その法人が議決権を保有するSPCである合同会社が適格機関投資家等特例業務の届出(金融商品取引法第63条第2項)をしているときは、代表社員であるみなし一般社団法人の名称変更に伴い、変更届が必要となります(同法同条第3項)。同様に、そのみなし一般社団法人が特定社員となっている特定目的会社については、業務開始届出に関する変更届出が必要となります(資産流動化法第9条)。これらの変更届が必要な場合には、忘れずに提出するようにしましょう。

(3)公告方法の変更
 公告方法として、①官報、②日刊新聞紙、③電子公告、④主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法(一般社団法人法331Ⅰ、一般社団法人法施行規則88Ⅰ)以外の方法を定款に定めているみなし一般社団法人は、施行日の属する事業年度の終了後最初に招集される定時社員総会において、上記①~④のいずれかを公告方法とする定款変更をしなければなりません。

 なお、決算公告が義務付けられたことに関連して、公告方法として①又は②の方法を定めているみなし一般社団法人は、公告コスト削減のため、インターネットによる貸借対照表の開示の措置を取ることとするか、公告方法を④の方法とする定款変更をすることも考えられます。ただし、これらの方法による決算公告は、貸借対照表の要旨のみではなく、その全文を公告しなければならない(一般社団法人法128Ⅱ参照)。さらに、インターネットによる開示は、定時社員総会の終結の日後5年間(一般社団法人法128Ⅲ)、また、④の方法による決算公告は、公告の開始後1年を経過する日までの間(一般社団法人法施行規則88Ⅱ①)、継続してしなければなりません。

(4)監事の廃止
 みなし一般社団法人の定款には、先日の記事のとおり、監事を置く旨の定めがあるものとみなされています(整備法5Ⅱ)が、理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人以外の一般社団法人は、監事を置くことは義務付けられていません(一般社団法人法61)。SPCの議決権保有ヴィークルとして利用される一般社団法人は、可能な限り簡素な機関設計が望ましいとされているため、スキーム関係者(特にレンダ-)の同意が得られれば、監事を置く旨の定めを廃止する定款変更をすることも考えられます。監事を置く旨の定めを廃止した場合、在任中の監事の任期は、その定款変更の効力が生じた時に満了し、退任します(一般社団法人法67Ⅲ)。

 なお、施行日前に終了した事業年度に関して、中間法人法の規定に基づいて計算書類等を作成した場合は、その計算書類等について監事の監査が必須となる(中間法人法60)ため、少なくともその計算書類等について定時社員総会で承認を受けるまでは、監事を置く旨の定めを廃止できませんので、ご注意ください。

 上記のほか、ないものとみなされた基金の総額に関する規定の削除、逆にあるものとみなされた監事を置く旨や基金に関する規定の追加、その他一般社団法人法の施行に伴う文言の形式的な整備などの定款変更もあわせてすることになります。結局、最初の定時総会では、ほぼ全面的に定款を変更する必要があるということになります。

 次回は、一般社団法人法の施行や上記の定款変更に伴う登記手続について見ていきたいと思います。

 今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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