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「払い込み」?「払込み」?それとも「払込」?

こんにちは、司法書士の草薙智和です。

実務に役立つ法令用語のマメ知識シリーズ。

第6回は、特定の用語ではなく、漢字の送り仮名の付け方についてです。

法律文書を作成する際に、漢字に送り仮名を付けるか付けないか、迷ったことはありませんか?

法令上の使用においては、送り仮名の付け方にもしっかりしたルールがあります。
まずは、下記の会社法の条文をご覧ください。

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(出資の履行)
第三十四条 発起人は、設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込み、又はその出資に係る金銭以外の財産の全部を給付しなければならない。ただし、発起人全員の同意があるときは、登記、登録その他権利の設定又は移転を第三者に対抗するために必要な行為は、株式会社の成立後にすることを妨げない。
2 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(中略)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

(設立時募集株式の払込金額の払込み)
第六十三条 設立時募集株式の引受人は、第五十八条第一項第三号の期日又は同号の期間内に、発起人が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの設立時募集株式の払込金額の全額の払込みを行わなければならない。
2以下(略)
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上記は、「払い込み」の例ですが、「い」も「み」も付ける場合、「み」だけ付ける場合、いずれも付けない場合があり得る、ということになります。

その使い分けですが、まず、複合の語のうち、活用のあるもの(動詞)については、その複合の語を書き表す漢字の、それぞれの音訓を用いた単独の語の送り仮名の付け方による、とされています。そして、活用のある語は、原則として、活用語尾を送る、とされていますので、それぞれ、「払う」と「込む」となります。これが上記34条1項の「払い込み」です。

次に、活用のない語(名詞)で、読み間違えるおそれのないものについては、送り仮名(の一部)を省きます。これが上記34条2項の「払込み」です。

さらに、活用のない語(名詞)で、慣用が固定していると認められるものについては、送り仮名を付けません。「払込」については、別の漢字が続く場合は、これに当たるとされています。これが上記63条の「払込金額」です。

送り仮名の付け方の詳細は、下記の通知等をご参照ください。

「法令における漢字使用等について(通知)」(昭和56年10月1日内閣法制局総発第141号)from 文化庁

「送り仮名の付け方」(昭和四十八年内閣告示第二号)
from 文化庁

「公用文における漢字使用等について(通知)」(昭和56年10月1日内閣閣第138号)from 文化庁

条文を読むとき、以上のどのパターンに当たるのか、考えながら読むのも面白いかもしれませんね。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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