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外国人役員のサイン証明書について

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こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

外国人役員の署名証明書(サイン証明書)について、商業登記における取扱いに変更がありましたので、お知らせいたします。

《印鑑証明書に代わる外国人役員の署名証明書》

代表取締役等の就任承諾書、代表取締役を選定する取締役会議事録等、印鑑届書に押印した印鑑について、市町村長の作成した印鑑証明書を添付することとされていますが、外国人がこれらの書面に署名しているときは、その署名が本人のものであることの当該外国人の本国官憲の作成した証明書(いわゆる署名証明書又はサイン証明書)の添付をもって、市町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることができることとされています。

従前、この本国官憲は、「日本における領事その他権限ある官憲を含む。」とされていた(昭和48年1月29日民四第821号通達)ことから、領事については、日本における領事に限定する趣旨ではないかという疑義がありました。平成28年6月28日、民商第100号通達(以下「本通達」といいます。)が発出され、「当該国の領事及び日本における権限がある官憲を含む。」という表現に変更されました。これは、領事の所在地国を限定せず、日本以外の国に駐在する本国の領事も含まれることが明らかにされたものとと思われます。

例えば、シンガポール在住のオーストラリア人について、在日オーストラリア大使館ではなく、在シンガポールのオーストラリア大使館で作成されたサイン証明書を利用することも可能です。

《本国官憲の署名証明書を取得することができないとき》

また、本通達においては、外国人の本国の法制上の理由等のやむを得ない事情から、署名証明書を取得することができないときは、登記の申請書に押印すべき者の作成したその旨の上申書及び当該署名が本人のものであることの日本の公証人又は当該外国人が現に居住している国の官憲の作成した署名証明書の添付をもって、市町村長の作成した印鑑証明書に代えることができることとされました。

《やむを得ない事情がある場合の具体例》

本通達を一部改正した平成29年2月10日民商第15号通達においては、日本における領事若しくは日本における権限がある官憲が署名証明書発行していないためこれを取得することができない場合、又は日本に当該外国人の本国官憲がない場合には、仮に日本以外の国における本国官憲において署名証明書を取得することが可能であっても、やむを得ない事情があるものとして取り扱ってよいこととされました。

例えば、日本に在住する英国人について、在日英国大使館ではサイン証明書が発行されない場合において、英国に帰国すれば、英国公証人が作成した署名証明書を取得できるときでも、日本の公証人が作成した署名証明書及び上申書を利用することができます。
なお、中長期在留者又は特別永住者である外国人は、日本人と同様に、住民登録されていますので、住所地の市役所等で印鑑登録をすれば、印鑑証明書を取得することも可能です。

また、平成29年2月10日民商第16号依命通知においては、やむを得ない事情がある場合の具体例として、以下の場合が示されました。

①当該外国人の本国に署名証明書の制度自体がなく、本国官憲において署名証明書を取得することができない場合

②当該外国人の本国においては署名証明書の取得が可能であるが、当該外国人が居住している本国以外の国等に所在する当該外国人の本国官憲では署名証明書を取得することができない場合

③当該外国人が居住している本国以外の国等に当該外国人の本国官憲がない場合

上記②の例としては、シンガポールに在住する英国人について、在シンガポール英国大使館ではサイン証明書が発行されない場合において、英国に帰国すれば、英国公証人が作成した署名証明書を取得できるときでも、シンガポールの公証人が作成した署名証明書及び上申書を利用することができます。

上記のとおり、改正後の本通達により、外国人である役員は、居住地国から海外に移動することなく、居住地国の官憲が作成した署名証明書を利用することができることになりました。

これまで、外国人である役員の署名証明書については、実務上障害となることが多かったため、この通達改正により、外国人である役員がいる会社の登記手続がよりスムーズに行えるようになると期待しています。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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