04不動産証券化・流動化、不動産ファンド

商業登記規則の改正による渉外登記実務への影響

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

今般、商業登記規則が改正され、2月27日に施行されることになりました。

 役員の登記の添付書面・役員欄の氏の記録が変わります(平成27年2月27日から)(法務省)

渉外登記実務において、重要な改正点は、以下の2点です。

1.新任の取締役、監査役等の住民票等の添付(改正規則61条5項)

株式会社の設立登記、又は、新任の取締役、監査役等の就任(再任を除く。)の登記には、原則として、取締役等の運転免許証の写し又は住民票等の本人確認資料の添付が必要になります。
外国人取締役の本人確認資料は、以下のものでもよいようです(パブコメ結果の意見7、8参照)。
 ①本国官憲が発行したサイン証明書(住所の記載のあるものに限る。)
 ②住所が記載された身分証明書等の写し(取締役等本人の原本証明付き)

上記②の具体例としては、例えば下記のものなどが考えられます。
 ・住所を記載して発行されたパスポート
 ・各国のDriving License
 ・中国の居民身分証、台湾の国民身分証、シンガポールのNational Registration Identity Card(NRIC)

2.辞任する代表取締役の印鑑証明書の添付(改正規則61条6項)

登記所に印鑑を届け出ていた代表取締役が辞任する場合、
 ①その辞任届に従前届け出ていた代表印を押印する
 ②個人の実印を押印して、その印鑑証明書を提出する
のいずれかが必要になりました。

代表印を届け出ていない代表取締役、平取締役、監査役については、従前どおり、認印の押印又は署名のみで足ります。

なお、株式会社のほか、一般社団法人、特定目的会社等の役員についても,同様の改正が行われています。

<改正後の参照条文>
商業登記規則
第61条 1~4(略)
5 設立の登記又は取締役、監査役若しくは執行役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書には、設立時取締役、設立時監査役、設立時執行役、取締役、監査役又は執行役(以下この項において「取締役等」という。)が就任を承諾したことを証する書面に記載した氏名及び住所と同一の氏名及び住所が記載されている市区町村長その他の公務員が職務上作成した証明書(当該取締役等が原本と相違がない旨を記載した謄本を含む。)を添付しなければならない。ただし、登記の申請書に第二項(第三項において読み替えて適用される場合を含む。)又は前項の規定により当該取締役等の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付する場合は、この限りでない。
6 代表取締役若しくは代表執行役又は取締役若しくは執行役(登記所に印鑑を提出した者に限る。以下この項において「代表取締役等」という。)の辞任による変更の登記の申請書には、当該代表取締役等が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
7~(略)

何かご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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『信託目録の理論と実務』

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

信託登記が他の不動産登記と決定的に異なる部分は、信託目録を作成しなければならないことであると思われます。にもかかわらず、これまで、信託目録の作成について、実務上確立した基準はなく、登記申請代理人になる司法書士それぞれのノウハウや方針によるところが多かったかと思います。信託目録の作成については、いつも不安やすっきりしない部分がありました。

このたび、元信託銀行の法務部長であり、司法書士でもある著者が、この信託目録の作成について、体系的な解説を試みた書籍が出版されました。待ちに待った書籍です。信託目録の作成に加えて、不動産の証券化、流動化の取引で利用される信託受益権の譲渡による受益者変更の登記についても、1章を設けて詳しく解説されています。
信託登記に関わる実務家は、必読の一冊です。

 渋谷陽一郎『信託目録の理論と実務―作成基準と受益者変更登記の要点』(民事法研究会)


今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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『信託登記の理論と実務』が改訂&信託登記おすすめ本まとめ

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

藤原勇喜先生の『信託登記の理論と実務』が改訂されて、第3版が出版されました。
信託に関する登記の構造を学説・判例・先例・実例を詳解するとともに、資産の流動化・証券化、高齢社会における財産管理とその有効活用、倒産隔離機能としても活用される信託の最新事情が追加されています。

 『信託登記の理論と実務(第3版)』


また、信託登記に関するもう一つの定本である、横山亘先生の『信託に関する登記』も昨年改訂されています。新信託法の施行から5年が経過し、登記実務が落ち着くとともに、問題点なども明らかになってきたことから改訂されたのことです。

 『信託に関する登記(第2版)』


さらに、新信託法自体の新しいスタンダードとなる実務本としては、東京法務局の元不動産登記部門統括登記官である齊藤明氏を中心とする信託登記実務研究会の編著による『信託登記の実務(第3版)』でしょう。登記申請書の記載例や登記記録例はもとより、登記原因証明情報や委任状、上申書などの添付書類のサンプルも多数収録されています。

 『信託登記の実務』


信託登記については、上記3冊があれば、ほぼ完璧だと思います。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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SPCによる不動産特定共同事業が解禁へ

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

3月29日(金)、不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。これは、特別目的会社(SPC)が不動産特定共同事業を実施できることとすることなどを目的とする改正です。

 不動産特定共同事業法の一部を改正する法律案について(国土交通省)

現行の不動産特定共同事業法においては、SPCが不動産特定共同事業の許可を受けることは事実上不可能でしたので、不動産特定共同事業スキームによる不動産の証券化・流動化は非常に少ない状態でした。

本改正により、一定の要件を満たすSPCは、国土交通大臣へ届出をしたうえで、不動産取引に係る業務および不動産特定共同事業契約の締結の勧誘の業務を、許可を受けた不動産特定共同事業者に委託することにより、不動産特定共同事業を営むことが可能になります。

SPCを利用した不動産特定共同事業が可能になれば、建築物の耐震化や老朽不動産の再生などが進み、不動産市場が活性化されることも予想されます。

ちなみに、不動産特定共同事業法の改正に伴い、上記の届出をしたSPCが不動産を取得する場合の登録免許税および不動産取得税を軽減する措置が講じられます。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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『改訂版 信託登記の実務』

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

以前このブログでご紹介した『信託登記の実務』が改訂され、内容がさらに充実しました。

改訂のポイントは、以下のとおりとのことです。
・初版の55事例につき、登記記録例(信託目録)を改訂。さらに、共有持分移転と信託に関する事例を2点追加。
・不動産登記規則改正による“信託目録の電子化”に完全対応。
・信託目録の電子化に伴う事務の変更点についても解説。

信頼の置ける執筆者と豊富な書式・記載例で、文字通り、信託登記の実務には欠かせない資料です。

『改訂版 信託登記の実務』
(信託登記実務研究会編著、日本加除出版)


今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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ラブアン法人が保有する合同会社の持分をケイマン法人へ譲渡

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。


ラブアン (Labuan) は、マレーシア領の島で、オフショア(Offshore)、つまり、タックスヘイブン(Tax Haven)の一つとして知られています。そのラブアンの法人の完全子会社である日本の合同会社について、ラブアン法人が保有する出資持分を分割して、2つのケイマン法人に譲渡する案件がありました。

合同会社の出資者に当たる社員のうち、業務執行社員と代表社員は、合同会社の登記事項とされているため、完全親会社(社員が1名の場合は、その社員が必ず業務執行社員かつ代表社員になります。)の持分を他の者に譲渡した場合は、合同会社の業務執行社員及び代表社員の変更登記が必要になります。

また、加入する業務執行社員及び代表社員が法人である場合には、その法人の登記事項証明書(いわゆる会社謄本)が必要になりますが、その法人が日本で登記されていない外国会社であるときは、実務上、登記事項証明書に代えて、その外国会社の本国の管轄官庁が認証した宣誓供述書(Affidavit)を提出する取扱いが一般的です。

よって、今回は、上記のケイマン法人2社に関する宣誓供述書を作成し、それぞれケイマンの公証人(Notary Public)の認証を受けました。

先日のバミューダ法人の案件もそうですが、オフショア・カンパニーの宣誓供述書については、署名する代表者(Signer)の居住地によっては、認証に手間取ることもあります。今回のケイマン法人のSignerは、香港に居住していましたが、いくつかのオプションを提示し、なんとか認証を受けることができました。

なお、今回の持分の譲渡は、非居住者である外国投資家の間での譲渡であるため、対内直接投資又は資本取引のいずれにも該当せず、外為法による報告は不要です。

ちなみに、その合同会社の出資の価額(=資本金の額)は・・・
100円ですcoldsweats01


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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国土交通省が「平成22年度 不動産証券化の実態調査」を発表

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

昨日、国土交通省から、「平成22年度 不動産証券化の実態調査」が発表されました。

平成22 年度中に不動産証券化の対象として取得された(証券化ビークル等が取得した)不動産又はその信託受益権の資産額は約2.2 兆円となり、わずかながら、3年ぶりの増加となりました。ただし、ファンドバブルと呼ばれた頃に比べれば、依然として低水準です。

スキーム別では、相変わらず、信託受益権を合同会社等を通じて証券化する方法(GK-TK スキーム等)がもっとも多く利用されているようです。

当事務所でも、新規物件の取得やSPC(一般社団法人及び合同会社又は特定目的会社)の設立のご依頼も増えてきました。このまま、順調に回復してくれればと願っています。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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「三井住友信託銀行」誕生へ

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

中央三井トラスト・ホールディングスと住友信託銀行は、両社の経営統合に向けて、株式交換契約書及び経営統合契約書を締結したことを発表しました。

統合のスケジュールは、以下のとおりです。

第1ステップ 株式交換
平成23年4月1日を効力発生日として、中央三井トラスト・ホールディングスを株式交換完全親会社、住友信託銀行を株式交換完全子会社として、株式交換を実施。中央三井トラスト・ホールディングスは、「三井住友トラスト・ホールディングス」に商号変更。住友信託銀行は、平成23年3月29日付で上場廃止予定。
なお、この株式交換の会計処理は、逆取得に該当し、パーチェス法が適用される見込みとのことです。逆取得は簿価で承継と理解していましたが、パーチェスになることもあるのでしょうか?

第2ステップ 信託銀行の合併
平成24年4月1日を効力発生日として、住友信託銀行を吸収合併存続会社、中央三井信託銀行及び中央三井アセット信託銀行を吸収合併消滅会社として、吸収合併。住友信託銀行は、「三井住友信託銀行」に商号変更。

詳細は、両者のプレスリリースをご参照ください。

中央三井トラスト・ホールディングス
住友信託銀行


司法書士の業務に触れれば、不動産の既存の信託登記に関して、住友信託銀行が受託者である信託については、登記名義人名称変更登記が、中央三井信託銀行が受託者である信託については、合併による権利の移転登記及び信託目録の受託者変更登記がそれぞれ必要になります。その節は、ぜひ当事務所にご連絡ください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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不動産私募ファンドに関する実態調査2010年7月

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。


株式会社住信基礎研究所から「不動産私募ファンドに関する実態調査2010年7月」を発表されました。
この調査は、同社が2003年から行っているもので、今回で10回目。69社の不動産運用会社から回答があったとのこと。

不動産私募ファンドに関する実態調査2010年7月
(PDF) by 株式会社住信基礎研究所

同調査によると、2008年以降横ばいが続いていた不動産私募ファンドの市場規模が、2010年6月末時点で、約15兆円となり、前回調査の2009年12月末時点から約7.5%増加したとのことです。2010年1~6月は、デット資金の調達状況が改善されてきており、ファンドの新規組成や物件取得が増加しているようです。

当事務所にも、不動産投資ビジネスのための金融商品取引業の新規登録申請や大型物件取得の登記申請のご依頼も増えてきました。このまま、順調に回復してくれることを祈っています、心の底からcoldsweats01


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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国土交通省が「平成21年度 不動産証券化の実態調査」を発表

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

国土交通省が、「平成21年度 不動産証券化の実態調査」を発表いたしました。

昨年度の実績は、前年から大幅に減少した一昨年度より、さらに減少したとのことです。日々の業務での実感どおりです。実績の推移のグラフを見ると、平成20年度からの急落ぶりに改めてぞっとします。今年度こそは、不動産市場が復活してくれますように。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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