03渉外相続、外国人の相続

『渉外不動産登記の法律と実務』

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

私も所属する渉外司法書士協会の会長である司法書士の山北先生が渉外不動産登記に関する書籍を出版されました。
最前線で活躍されている実務家が執筆されていますので、我が国の外人法や国際私法の基礎から、実務で行き詰まることが多い、当事者の国籍により適用されるべき外国法の調査や当事者の身分、権利関係の証明まで詳細に解説されています。また、国籍別のポイントもまとめられており、大変参考になります。学者や研究者の書籍とはひと味違う内容となっています。

 『渉外不動産登記の法律と実務―相続、売買、準拠法に関する実例解説』

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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『ビジネス法務英文用語集』&おすすめ法律英語本まとめ

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

私がよく参考にしている『使いこなしたい ビジネス法務英文グロッサリー』が書名を変更して、全面改訂されました。実務上使用頻度が高く重要と思われるビジネス英文用語約2500語について、使いこなすための簡単なコメントと使用例がまとめられています。よく使う用語や言い回しをさくっと調べられて便利です。英文の法律文書を作成する方におすすめです。

原秋彦『ビジネス法務英文用語集』(商事法務)

また、姉妹書の『ビジネス法務基本用語和英辞典〔第2版〕』もあわせて改訂されました。こちらは、まさしく辞書というイメージで、使用頻度の高い法律用語を多数収録しています。和英辞典ではありますが、巻末の英語索引から逆引きして英和辞典的な使い方もできます。

なお、法律英語に関する書籍では、そのほか以下のものがおすすめです。

田中英夫『英米法辞典』(東京大学出版会)
さすがに古くなりましたが、法律英語辞典の定番。

田中英夫『BASIC英米法辞典』(東京大学出版会)
上記の英米法辞典のコンパクト版。付録の「英米法の調べ方」が参考になります。

小山貞夫『英米法律語辞典 Koyama's Dictionary of Anglo-American Legal Terminology』(研究社)
最近出版された書籍で、田中英米法辞典に代わり得る充実の内容。

鴻常夫、北沢正啓『英米商事法辞典』(商事法務研究会)
英米法のうち、商事法に特化した辞書。高価だが、会社法務のためには、ぜひほしい一冊。

長谷川俊明『法律英語と会社 (法律英語シリーズ)』(レクシスネクシスジャパン)
会社に関する法律英語をコラム風に解説。長谷川俊明先生の本はどれもおすすめ。

Martha Faulk 『法律英語文章読本』(プロスパー企画)
簡潔でわかりやすい法律文書を書くための解説書。いい例、悪い例など豊富な例文を収録。日本の弁護士による翻訳本。

Bryan A. Garner 『Black's Law Dictionary』
米国法に関する辞書の定番にして最高峰。

Bryan A. Garner 『Garner's Dictionary of Legal Usage』
Black's Law Dictionaryの編著者が重要な法律用語の意味と用法をシンプルに解説。

マニアックになってきたので、この辺で。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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寄稿「司法書士のための外為法入門」

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

日本司法書士会連合会が発行する「月報司法書士」の10月号から3回にわたって、短期集中講座「司法書士のための外為法入門」を連載することになりました。
司法書士の業務に関連する部分を中心に、外為法の概要を解説します。実際の業務でよくある事例もケーススタディ形式でご説明します。

日本司法書士会連合会のウェブサイトで、どなたでもPDFでご覧いただけます。

 第1回第2回第3回

参考にした文献、ウェブサイトは、以下のとおりです。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)編著「外為法ハンドブック 2013
財務省「外為法関係・為替政策
日本銀行「外為法に関する手続き

今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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外国人は日本の不動産を取得できるか?

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。


外国人は、日本の不動産を自由に取得できるでしょうか?

たぶんできると思うけど、改めて聞かれるとちょっと不安に感じることもあると思います。そこで、外国人による日本の不動産の所有についてまとめてみたいと思います。


外国人の内国における地位を定めた法律を「外人法」といいます。

外人法の一つである民法第3条第2項は、「外国人は、法令又は条約の規定により禁止される場合を除き、私権を享有する。」と規定し、原則として、外国人に日本人と同様の権利能力(権利義務の主体となれる資格)を認めています。
法令の規定により外国人の権利能力が制限される場合としては、船舶所有権(船舶法1)や鉱業権・祖鉱権(鉱業法17、87)などがあります。


外国人の土地の所有に関する外人法としては、そのままズバリ「外国人土地法」という法律があります。

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第一条 帝国臣民又ハ帝国法人ニ対シ土地ニ関スル権利ノ享有ニ付禁止ヲ為シ又ハ条件若ハ制限ヲ附スル国ニ属スル外国人又ハ外国法人ニ対シテハ勅令ヲ以テ帝国ニ於ケル土地ニ関スル権利ノ享有ニ付同一若ハ類似ノ禁止ヲ為シ又ハ同一若ハ類似ノ条件若ハ制限ヲ附スルコトヲ得
--------------------------------------------------

この法律は、大正14年に制定されたものであり、文語体で読みにくいですが、要約すれば以下のとおりです。

つまり、ある国が、日本人や日本法人に対して、その国の土地の所有を禁止したり、制限したりしている場合、その国の国籍を有する外国人や外国法人については、日本の土地の所有について、勅令(注)や政令で同様の禁止や制限ができる、ということです。このような考え方を「相互主義」といいます。

ただし、この規定に基づく勅令や政令は、今まで制定されたことはありません。第170回国会 国土交通委員会 第3号、法務省大臣官房審議官始関正光氏発言参照)

よって、現在、外国人が日本の不動産を取得することを禁止する法令及び条約はない、ということになりますので、民法の原則に戻って、外国人も日本人と同様に自由に日本の不動産を取得することができます。


なお、非居住者である外国人や外国法人が日本にある不動産又はこれに関する権利を取得した場合は、外為法に基づく資本取引の報告が必要になる場合がありますので、注意が必要です。

また、外国法人については、上記のほか、わが国が外国法人の法人格を承認するか、すなわち「認許」という問題もあります。外国法人の認許については、「外国会社は日本の不動産を取得できるか?」を参照。


(注)日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律第2条第1項により、「勅令」は、「政令」と読み替えられます。


今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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『第3版「在日」の家族法Q&A』と在日韓国人の相続・遺言オススメ本まとめ

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。

在日韓国・朝鮮人の家族法について非常に詳しい書籍の改訂版が出版されました。法の適用に関する通則法の施行や韓国の民法の改正、家族関係の登録等に関する法律の施行に対応したものです。
執筆は、国際私法や韓国の家族法の研究者や在日韓国・朝鮮人の相続登記の実務に精通した司法書士によるもので、実務において本当に助けられています。


その他、在日韓国・朝鮮人の方の相続や遺言について、大変参考になる書籍をまとめてみました。


韓国の国際私法や民法の条文(もちろん日本語)が資料として収録されています。
また、北朝鮮、中国、台湾の法律も収録されています。
さらに、日本の旧民法による相続の解説も充実(といか、こちらがメイン)していてお得です。


内容はこちらの記事を参照


内容はこちらの記事を参照


参考になれば幸いです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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アメリカ大使館の公証業務が予約制に変わりました

こんにちは、渉外司法書士の草薙智和です。


東京のアメリカ大使館領事部におけるアメリカ市民サービスが事前予約制に変更されています。

宣誓供述書(AFFIDAVIT)の認証やサイン証明書の発行などの公証業務を利用する場合は、専用の予約サイト(英文)で、氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、国籍、パスポート番号などを登録して事前に予約する必要があります。

また、公証業務の取扱時間も、月曜日から金曜日の午前8時45分から正午までに変更されておりますので、ご注意ください。

詳細は、アメリカ大使館のウェブサイトをご覧ください。


今回もお読みいただき、ありがとうございました。

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宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その3

こんにちは、司法書士の草薙智和です。

「宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か?」シリーズ第3回です。

前回までの記事はこちら。
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その1
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その2

前置きが長くなりましたが、いよいよ本題に入りましょう。

外国人や外国会社が登記名義人となる不動産登記や外国会社の登記の申請に添付する外国の公文書(Notary Publicによる宣誓供述書など)には、その外国にある日本領事館の認証(領事認証)やそれに代わるその外国の関係官庁による証明文、アポスティーユ(APOSTILLE)は必要でしょうか?

結論から言えば、原則として、いずれも不要とされています。

その理由は以下のとおりです。

まず、日本は、領事認証制度を採用していません。つまり、外国の公文書を日本の官庁に提出する場合でも、その外国に駐在する日本の領事等の認証を受ける必要はありません。

次に、アポスティーユは、そもそも領事認証を省略するための制度ですので、領事認証制度を採用していない日本の官庁に提出する場合には、当然アポスティーユは不要、ということになります。

よって、登記申請に添付された外国公文書に領事認証又はアポスティーユが付されていない場合でも、登記官が権限ある機関により作成されたものであるとの心証を得られれば、その登記申請は受理される、ということになります。

さらに言えば、登記官は、各国の制度に精通しているわけではないので、作成者の資格が明示されていない、Notary Publicの任命期間が終了しているなど、その外国公文書の真正性に明らかな疑義がない限り、その効力は認められるものと思われます。
少なくとも私が担当した案件においては、Notary Publicによる宣誓供述書などの効力が問題とされたことは一度もありません。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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「逐条解説・法の適用に関する通則法 」

こんにちは、司法書士の草薙智和です。

毎週金曜日は、私が実際に使用している実務に役立つ書籍を紹介していきます。

今日ご紹介するのは、わが国の国際私法である、「法の適用に関する通則法」の逐条解説本です。
施行から2年以上経って、やっと立法担当官による逐条解説本が出版されました。
通則法の解説本の中でも最も権威のあるものになることは間違いないでしょう。
条文ごとに、制度趣旨や改正点の解説、学説・判例などが網羅されています。
渉外事件にかかわる司法書士、弁護士などは必須の書籍です。

逐条解説・法の適用に関する通則法 (逐条解説シリーズ)
(小出邦夫編著、商事法務)

なお、立法担当官により改正当時に出版されたものとしては、改正点を中心に解説されている「一問一答 新しい国際私法―法の適用に関する通則法の解説」もあります。

今回もお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、良い週末を。


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宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その2

こんにちは、司法書士の草薙智和です。

「宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か?」シリーズ第2回です。

他の記事はこちら。
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その1
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その3

外国の公文書の真正性をその外国の関係官庁が証明し、さらにそれをその外国に駐在する提出先国の領事等が認証する制度が領事認証制度でした(詳細は前回記事参照)。

このうち、領事等の認証を省略するため、ハーグ(ヘーグ)国際私法会議で採択され、昭和45年にわが国も批准したのが、「外国公文書の認証を不要とする条約」、いわゆるハーグ(ヘーグ)条約(注)です。

この条約により、締結国間(加盟国はこちらを参照)においては、領事等による外国公文書の認証が免除され、それに代えて、各締結国は、あらかじめ指名した機関(日本では外務省が指定されています。各加盟国の認証機関はこちらを参照)による証明文を付与することで、自国で作成された公文書の署名の真正、署名者の資格及び押印された印影の同一性を提出先加盟国に対して証明することとされています。
この証明文を「アポスティーユ(APOSTILLE)」と言い、わが国では、公文書自体に奥書するのではなく、付箋を添付することから「付箋による証明」とも呼ばれています。

例えば、日本の会社謄本を香港(中国のうち、香港とマカオの2つの特別行政区のみがハーグ条約に加盟しています。)に提出する場合、以下の手続が必要になります。
1.会社謄本を作成した登記官が属する法務局又は地方法務局の長が、その登記官の職印等が真正なものであることを証明する。
2.外務省が、法務局長等の証明書が真正であることを証明する(アポスティーユ)。

 (地方)法務局 → 外務省

領事認証が不要な分、多少手続が簡略化されています。
なお、加盟国においても、用途によっては、領事認証が必要とされるケースもあるようですので、事前に提出先に確認しておくことが必要です。

(注)
ハーグ国際私法会議で採択された条約は30以上あり、いずれも、ある文脈の中で「ハーグ条約」と呼ばれることがありますが、それが常に特定の条約を指すわけではありません。同会議で採択された条約のうち、わが国が締結しているものには、本条約のほか、「遺言の方式に関する法律の抵触に関する条約」や「扶養義務の準拠法に関する条約」などがあります。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その1

こんにちは、司法書士の草薙智和です。

「宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か?」シリーズ第1回です。

外国人や外国会社が登記名義人となる不動産登記や外国会社の登記の申請に添付する外国の公文書(Notary Publicによる宣誓供述書など)には、その外国にある日本領事館の認証(領事認証)やそれに代わる外国の関係官庁による証明文、アポスティーユ(APOSTILLE)は必要でしょうか?

その検討の前提として、まずは、領事認証制度及びそれに代わるアポスティーユについてご説明します。

まず、領事認証制度とは、外国の公文書が権限ある機関によって作成されたことを証明する制度です。

提出された外国の公文書がその外国の真に権限のある機関よって作成されたものであるか否かを、提出先の官庁が判断することは通常、困難であると思われます。そこで、その外国公文書が真に権限のある機関よって作成されたものであることを、その作成機関が属する国の関係官庁が証明し、さらにそれをその外国に駐在する提出先国の領事等が認証する、という領事認証制度が、国際慣行として確立しています。

例えば、日本の会社謄本を中国(一部の特別行政区を除いて、後述するハーグ(ヘーグ)条約には加盟していません。)に提出する場合、以下の手続が必要になります。
1.会社謄本を作成した登記官が属する法務局又は地方法務局の長が、その登記官の職印等が真正なものであることを証明する。
2.外務省が、法務局長等の証明書が真正であることを証明する(公印確認)。
3.駐日中国領事が、外務省の証明を認証する。

(地方)法務局 → 外務省 → 中国大使館

これらの手続を経てはじめて、その会社謄本が日本の権限ある機関によって作成されたことを中国の提出先官庁に証明することができるのです。

これらの手続きのうち、領事等による認証を省略できる制度がアポスティーユです。次回は、このアポスティーユについてご説明します。

他の記事はこちら。
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その2
宣誓供述書に領事認証又はアポスティーユは必要か? その3

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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